安定供給への取り組み
揺るぎない安定供給の体制
人々の命や健康に関わるに貢献していくために、T’sは早期にリスクを検知し、組織的に対応し、持続的に品質が確保された医薬品の安定供給ができる体制を構築しています。
バリューチェーン(価値の連鎖)
S&OP(セールス&オペレーション)会議を定期的に開催し、短期・長期の需要予測・安全在庫・生産計画・入荷予定の情報をもとに、営業部門と生産部門が協業して、需要予測と供給計画をすり合わせています。また、安定供給にリスクのある製品を洗い出し、必要に応じてさらに情報収集・分析を行って検討し、対応の判断を下します。

CMO(製造受託機関)との緊密な連携
T’sはアンドファーマグループの工場や、CMOに当社の医薬品の製造を委託しています。工場で製造する医薬品の品質管理に求められる要件は、自社工場でも委託先の工場でも同様であり、当社ではCMOを仮想の自社工場とみなし、シームレスな関係構築をしています。
医薬品製造委託先と当社の代表者だけがコンタクトするのではなく、部署ごとにカウンターパートナーを設け、あたかも同じ会社にいるかのようにクラウドでデータ共有して、コミュニケーションをとっています。両者間で月例の生産会議を開催し、互いの業務を綿密に共有しています。このチーム全体をSRT(サプライヤーリレーションシップチーム)と呼んでおり、購買、サプライチェーンや製剤技術、品質保証、オペレーションファイナンスなどの部門で構成されています。

この体制は、国内外のグローバル製薬会社の知見を集約した仕組みであり、需要予測、発注、在庫情報、CMO の製造完了情報は、クラウドシステムを通じて両者間でリアルタイムに相互確認でき、報告漏れを防ぎます。例えば、品質に関する懸念が発生した場合には、遅滞なくCMOより武田テバの品質部門に直接連絡が届き、協力して解決にあたることができます。
SRTは各CMOとともに1年間のパフォーマンスを確認し合う、ビジネスレビューミーティングを行っています。所属する会社は異なっても、患者さんの健康に資する製品をお届けするという目的を同じくするチームとして、忌憚なく意見を交わす関係性を築いています。
CMOの年次業績評価
当社は、CMOとの間で取り決めとして、①秘密保持契約書、②供給契約、③製造委託基本契約、④品質協定書を締結しています。④の品質協定書によりCMOに対し年次レビューを次の流れで実施しています。
定められた評価項目・評価方法に従い月次でチェック表に評価状況を報告
点数化した評価結果を基に年度末に両社者間で協議
改善すべき項目については対応策を協議
この評価結果を基に、委託元であるT’s社内では年2回(上半期と下半期)で品質マネジメントレビュー会議を開催し、社長以下の経営陣に対しCMOとの提携状況を報告しています。
CMOとより良い関係のために
社長や経営陣が主な製造委託先を訪問し、先方の経営陣と、製品品質の取り組み、医薬品の信頼性確保について協議・意見交換を行っています。時には、委託先の品質文化醸成への支援をするなど、「T’s」としての品質・信頼性の向上を図っています。
また、当社の品質部門も主なCMOの品質部門を定期的に訪問しており、品質の実務者同士が直接会って相互の状況を確認することにより、経営陣・実務者ごとに組織階層での横のつながりを強化しています。
教育研修用の動画の提供
品質文化醸成への支援として、人の命、病気にかかわる医療用医薬品を製造しているという、社員の意識をより高めていただくために、主なCMOに社内教育研修用動画として2タイプを提供しています。
工場のでは日替わりで多種の医薬品が製造されている場合があるため、「自分が関わった医薬品が実際に患者さんの手元に届いて使用され、医療に貢献している」という実感を得て、品質・安定供給に向き合う気持ちを一緒に高めていきたいと考えています。
1.シミュレーション動画
回収を生じさせると医療現場に多大なご負担をかけてしまうことを理解
(T’sの教育研修用動画を再編集)
2.薬剤師の先生方からメッセージ動画
製造している医薬品がどのように患者さんに役立っているか、製造に携わる社員に望むことを理解
